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自転車成分多めの日常を記録するblogです

Birdyはどのモデルを選んだらよいか その2(Birdy Touringについて)

今回はBirdy Touringについて書いてみる。

 

Birdy Touring

 

Birdy Touringの特徴は、何と言ってもリアハブに搭載されている内装3速の変速機であろう。外装変速8段と掛け合わせることで3×8で24段変速になり、10段変速や11段変速と比較しても、細やかなギア比が選べるし、最大ギア比、最小ギア比もそれぞれ大きく、小さく取れる。

なお、外装変速部はシマノのソラで、内装変速部はStarmy Archer(の恐らくCS-RK3だと思われる)である。

その他のパーツ構成の特徴は以下である。
・ブレーキ、クランク、リムなどはGTモデルと同一。
・タイヤは太くて丈夫なビッグアップル

 

乱暴に言ってしまえば、
・Standardをオフロードを含めたツーリング向けに強化したのがGT
・Standardをオンロードツーリング向けに強化したのがTouring

となる。

 

ギア比を大きくとれると何が良いかというと、登り坂では軽いギア比で楽に登れるし、下り坂では足を過剰にくるくる回さなくてもさらに加速できる。
言い換えると、長い距離を楽に早く走ることができるのである。

 

ギア比の高い低いの指標として「クランク1回転でタイヤが何mm進むか」という値がある。値が大きいほど重いギア、値が少ないほど軽いギアとなる。
私が以前乗っていたロードバイクは、チェーンホイールが50×34(コンパクトクランク)、スプロケットが12-30(いわゆる「乙女ギア」でも、もっと軽いギアが欲しい)だったので、それとBirdy GT,Birdy Touringを比較してみる。

車種 チェーンホイール スプロケット タイヤサイズ ギア比大時の
クランク1回転で
進む距離(mm)
ギア比小時の
クランク1回転で
進む距離(mm)
ロードバイク 50-34 12-30 700×25 8770 2385
Birdy GT 52 11-32 18×2.0 6680 2296
Birdy Touring 52 11-30 18×2.0 8906 1842

Birdy GTはロードバイクに比べて軽いギアは同じくらいだが、重いギアが物足りない。
ロードバイクでいうところの50×16Tぐらいのギア比なので、平地を走る分には十分だが、峠の下りで足が空回りすると思う。

一方Birdy Touringは重いギアも軽いギアも、ロードバイクに比べてそれぞれ軽く、重くなっている。これだけ幅広ければツーリングでギア比に不満が出ることはないだろう。

 

なお、自転車に詳しい人ならば、Birdy GTもチェーンホイールを大きく、さらにフロントダブルにすればギア比の問題は解決するのではないか?と疑問を持つと思う。それに対する回答は、「フロントダブル化で軽いギアは解決するが、重いギアは解決しない」である。Birdyの新フレームの特性上、56T以上のチェーンホイールを取り付けると、フレームと干渉するからだ(ただし、ロー側のスプロケットを小さくすれば大丈夫という話もあり)。ちなみに、BD-1では60Tを取り付けられていたらしい。

 

56Tと(一応60T)のチェーンホイールを取り付けた場合のBirdy GTとロードバイクのギア比を比較すると以下のようになる。

車種 チェーンホイール スプロケット タイヤサイズ ギア比大時の
クランク1回転で
進む距離(mm)
ギア比小時の
クランク1回転で
進む距離(mm)
ロードバイク 50-34 12-30 700×25 8770 2385
Birdy GT 56T 56 11-32 18×2.0 7382 2538
Birdy GT 60T 60 11-32 18×2.0 7909 2719

60Tをつけても、コンパクトクランクを取り付けたロードバイク(しかもロー側のスプロケは12T)のトップギアに及ばないし、軽いギアが重くなっていて、登り坂がきつくなってきている。

 

外装変速だけでは重いギアの達成が困難であることを説明したが、軽いギアの方も結構難儀する。
フロントギアをダブルもしくはトリプルにして小さいチェーンホイールをつければ軽いギアを得られるのだが、折り畳み自転車はフレームの折りたたみ機構の関係上、フロントをダブルにするのが困難な場合が多い。
Birdyは幸運にもフロントダブルができるようだが、パーツのクリアランスがシビアで、テクニックがいるとのことだ。

 

上記のような理由で、外装変速に内装変速を加えたBirdy Touringはその名の通りツーリングに適したモデルなのだが、内装変速にはメリットだけでなくデメリットもある。それは、「内装ハブの内部抵抗の大きさ」と「内装ハブ自体の重量」である。

どちらも走行性能の低下に繋がる要素であり、その影響は大きくないとしても長時間の走行では少しの影響が積み重なっていく。この部分は体力でカバーできる問題であり、日本人に比べて体力のある人が多い欧米ではあまり気にされないのか、海外では内装ハブは人気とのこと。私は体力がなく、限りある資源(体力)を有効に活用する為、内装ハブはあまり使いたくない派である。

 

いずれにせよ、Birdyでオンロードのロングツーリングを行いたい人にとって、Birdy Touringは一考の価値があるモデルといえる。